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バリアフリーのハワイ(Access Free Hawaii)

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バリアフリーのハワイ

 

ホノルルの街では、時々“Handi-Van”とサインの付いたミニバンが活躍しているのを見かけます。車いすで移動する乗客や、ご高齢者、介護が必要な市民が電話予約をすれば、市営のThe Busより安いたった$2で利用できる、バリアフリーの一環、ホノルルが誇る交通システムです。

 

もちろん日本にだって、身体障害者用の施設や設備はありますが、やはりすごいなあと思うのは、細かい気遣いが行き届いている所。障害者用の駐車場はあっても、隣とくっついていては、車を停めて車いすで乗り降りは難しいですよね。そこで障害者用駐車スポットの隣は同じくらいのスペースがちゃーんと当てられていて、他の車が停められないようになっているんですね。これも気遣いです。

 

他にも、他州からの訪問客でも資格カードがあれば、ハワイ滞在中3週間までハンディバン利用が可能。介護の人も障害者と同乗すると、無料で利用が可能なんていう配慮もあります。病院のアポやちょっとした買い物、役所に出かけなければならない時など、障害があってもHandi-Vanを利用することで、あまりお金を使わず、また家族や介護の人を煩わせなくても自分で移動ができる、これってとっても大切なことだと思います。日本でも「ノーマライゼーション」という英語が日本語化していますが、アメリカ中に浸透している障害者対策です。

 

ホノルルの街を歩いていると、車いすやベビーカーなどに便利なように、歩道と車道との間がスムーズなカーブになっているのにも気が付きます。サービスドッグと呼ばれる障害者補助のワン君たちも、バスに普通に乗ったりしているのを見ることがあります。

 

こうしたバリアフリーのハワイは、「障害を持つアメリカ人法(ADAと略する:American with Disability Act 1990)」と呼ばれる連邦法に基づいて、ハワイ州法で独自に決めた運営方法です。ハワイは観光が大切な産業です。障害を持った方にも、美しいハワイを十分楽しんでもらいたいと州政府が音頭を取って、バリアフリーのハワイを目指しているんですね。

 

メイプルハワイも日本からいらっしゃった研究者に同行して、ハワイ州の障害者アクセスを担当するお役所にお邪魔する機会がありました。

 

にこやかに受け入れてくれたのは、車いすに座ったカートさん。指も不自由で名刺を手渡す時は、こぶしでトントンと叩いて持ち上げて、渡してくださいました。

 

「僕は39年前、海の事故で下半身不随になりました」サラリとご自分の経歴を話してから、ADAによって自分のような人間がどんなに助けられているかを語ってくれます。

 

「ハンディバンがあるから、自分で運転しなくても、仕事も、レストランや買い物など行きたいところにも行けます。働けるから収入を得ることもできるし、大学に行くこともできました。友だちと映画に行ったり、病院のアポに行くのも一人で何とかできます。映画館やスーパーマーケットの入り口が、車いすが通れるように広いことがありがたいです」公共施設だけでなく、次第に商業面も障害者用のアクセスを、ビジネス機会とみるようになってきたといいます。

 

同席の担当官のレベッカさんが、「障害者といっても、『見える障害』と『見えない障害』があります」とさらに説明を加えてくれました。

 

「『見えない障害』って、メンタルヘルスの障害?」との質問に

「ええ、それもありますけど、例えば、私のように癲癇症を患っているというのも、『見えない障害』の一つですね。それから、心臓病とか、透析を受ける必要のある人とかも」

たまたまその時、ドアの外を通りかかったワン君連れの訪問客を指さして、レベッカさんは、「ほら、見えない障害者を支えているサービスドッグですよ」と説明してくれました。

 

サービスドッグといえば、盲導犬しか知らなかった私達は、そんな風にもサービスドッグが活躍している、そして、そういうサービスを促進しているのも、ADA「障害を持つアメリカ人法」であるという事を学びました。

 

「ノーマライゼーションっていう言葉、ちょっと僕は気になるな。僕たち障害を持つ人間にとっては、この状態がノーマルだよ」カートさんが最後に言ってくれた言葉が心に残りました。

 

喘息や癲癇の発作が起きることも、本人にとってはある意味ノーマルなこと、首を折ってしまったカートさんが、車いすで一生生活するのも彼にとってはノーマルなこと、お年寄りにいろいろ不自由が出ることだって、考えてみればノーマルな事かもしれません。

 

インタビューを終えてビルの事務所の外に出てみると、もう一匹サービスドッグを連れている男性に会いました。

 

「こいつの名前はスキャビーさ。いい奴なんだ。僕の奥さんのサービスドッグだよ」

「奥さんはどんなディスアビリティ(障害)があるんですか」

「ひどい喘息持ちでね、でも発作が起きるとスキャビーが彼女の顔をぺろぺろ舐めてくれるんだ。そうすると直ってしまうんだな、これが」

 

へええ、そういうサービスドッグもあるんですねえ。

上からものを言うのではない、ほんとうの意味のバリアフリーって何だろうなあ、とそんなことを考えさえてくれた体験でした。

 

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