ポケ丼 ~Poke Bowl~
ボストンから昨日着いたばかり、ハワイは初めてというややご年配の友人が、ハワイのローカルフードを食べたいという事で、フレッシュ・キャッチ(Fresh Catch)まで、ポケ丼を食べに行きました。
最近は、日本やロサンジェルスなど西海岸の大都市でも、とってもトレンディになっているハワイローカルのポケですが、この友人は今まであまりハワイに関係のない生活をしてきた女性で、素朴に「ポケって?」と聞きます。
オアフ島にいると、英語に引っ張られてポキという発音をする人にも会いますが、他島などのハワイ正統派たちは、切り身とかカッティングとかいう意味のハワイ語の「ポ・ケ」と、キチンと発音します。どっちでもいいじゃないと開き直って「ポケ・ポキ」という名前のお店を作ったローカルもいるようですが。
昔は捕った魚を海岸でさっとさばいてぶつ切りにし、その場でシーソルトやククイ油などをまぶして食べていたというのがポケの始まりだそうです。
ハワイに大量のアジア人がやって来てからは、醤油を入れたり、ニンニクが入ったり、唐辛子や生姜が使われたり。ローカルたちは、魚屋のカウンターで量り売りをしてもらって、作り立てをごはんの上にドボリとかけ、釣りやサーフィンに行く前などに、立ち食いソバでも食べる感覚で、豪快に食します。
「ポケってなんですか」友人は聞き返します。
~さあ何と説明しましょうか。
「日本のマグロの山かけ丼ってありますよね。そのハワイ版でとろろ抜きというか」
「なるほど」
「あれは、醤油、みりん、酒で味つけですが、ハワイのはチャプスイでして」
「チャプスイ?」
「混じってるっていう意味のローカル語です」
「チャプスイ、ね」
「マグロだけじゃなくて、カツオやタコや豆腐なんかでも、作っちゃうようです」
「ほう、豆腐でも」
「チリペパーやマヨネーズ入れたり、キムチ、ワサビやごま油なんかも入れまして」
「韓国風ですね」
「いや、それがハワイ風でして。マサゴやアボカドなんかも入ってます」
「それがごはんの上にのっているんですか、丼ぶりものとして」
「ええ、まあ、そんな具合です」
「なるほど」
ぶつぶつ私が歯切れ悪く説明しているより、お店にお連れした方が早い。短パンに入れ墨のローカル兄さん達に紛れ込んで、いざ行かん、フレッシュキャッチ。魚屋さんでもない、プレートランチ屋さんでもない、独特混合店。
友人と私は、回りを見まわして、慣れてるよと、なるべくローカルっぽく振舞いつつ、ハワイアン・ショーユ・ポケ、スパイシー・アヒ・ポケのダブルとワンスクープ(白いご飯の事ですね)焼きダコポケにキュウリのポケ?を注文いたしました。
「紫玉ねぎが入っていますね」
「それはマウイオニオンといいます」
「これはどんな海藻ですか」
「はあ、海藻は、リムといわれてまして、それは確かオゴというんだったと思います」
「丼ぶりというのに、丼に入ってませんね。発泡スチロールだ」
「テイクアウトのお店ですから」
「でもポケボールと言ってますが、ボールにも入ってない」
はあ、すみません、とややディフェンシブになっている私。ハワイなんですから、そう細かいことは言わずにですね、召し上がってくださいな、ほら、これがポケです。
観光にいらっしゃっる方は、もちろんホテルや高級レストランでもいただけますが、ポケはスーパーマーケットでもテイクアウトのダイナーでも、どこでも注文ができるとっても心温まる一品なんです。そして、そういうところで、さっと作って食べるポケ丼の方が、なぜかおいしいのですね。(高級ホテルの方、ごめんなさい)
オフィスではポケランチをテイクアウト、テレビでスポーツイベントがある時は、ピザとポケとビール、サイミン食べながらポケを食べる人だっていますね。とにかく、どこでも何にでも合うポケなのです。
こっちはテイクアウトのポケ丼でランチ会。
いろいろ宣っていたボストンの友人でしたが、アヒポケを口に入れた途端、発泡スチロールの入れ物もなんのその。
「わっ!美味しい!なんだこれは。やみつきになりそう!」
なんだこれは、ってこれがポケです。
Fresh Catch ホノルル店
3109 Waialae Ave
Honolulu, HI 96816
(808) 735-7653
Fresh Catch カネオヘ店
45-1118 Kamehameha Hwy
Kaneohe HI 96744
(808)235-7563
両店とも営業時間
10:00AM to 7:30 PM M-Sat
10:00AM to 5:00PM Sunday
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