アロハの「ハ」には深〜い意味が含まれてる!?
ハワイ語って、母音と子音が交互に並んでいるせいか、日本人の耳には聴きやすいし、なんとなく親近感ありますよね。南島語のオーストロネシア語圏に属するハワイ語は、言葉にいろいろな意味が含まれている大変豊かな言語なんだそうです。
ハワイに暮らしていると、アロハから始まって、サンキュー「マハロ」、白人を指す「ハオレ」、おいしいねえの「オノ」、子供「ケイキ」が遊んでるよ、仕事終わった「パウ」、ゴミはゴミ箱に「コクア」ご協力感謝。。。こんな風に、短くて親しみのある言葉が、英語の会話に頻繁に混じって、普通に使われていて楽しいです。
それでも、私がハワイ大学に通っていたウン十年前には、土地の名前のハワイ語や、フラやハワイアン音楽を専門にする人が使うハワイ語以外、巷でハワイ語はほとんど使わなくなってしまっていました。ちゃんと話せるハワイアンネイティブのお爺ちゃんお婆ちゃんも大激減、半分死語に近くなってしまっていたような感がありました。でも、少し前からハワイ後復興運動が盛んになり、博物館や公共施設などでは、だんだん英語と併用でハワイ語の説明書きが提示しつつあります。
最近では、ハワイ語がわかる若者も増えている
ハワイ語を学校でも教えようと州をあげて取り組んでいるのが功をなしてか、ハワイ語が話せる読めるという人も少しずつ増えてきているようです。「親父は話せないけど、俺、爺ちゃんの話してたハワイ語わかるよ」なんて言う若者に、時々会うようになりました。ハワイ語はチンプンカンプンな私なのですが、心ひそかに、これは大変よろしい傾向だと思っています。だって、やっぱり、言語っていうのは、文化を継承しているわけですし、大切にしたいですね。
昔からあるハワイ式(マオリ族やニュージーランドのネーティブ達にも共通)のご挨拶方法に、ホニと呼ばれるやり方があるのをご存じですか。目上の人を敬うやり方で、お鼻とお鼻、額と額をくっつけてご挨拶します。大変正式で、古式ゆかしい挨拶方法です。日本で言ったら、袴履いて板の間に額をこすりつけての最敬礼という所でしょうか。
ハワイ島のフラの祭典、メリーモナークのフラフェスティバルで、ホニ式あいさつ(英語ではノーズキスって訳されてます)をしている古老とそれより少し若い中年男性を目撃したことがあります。お互いの肩に軽く手をかけ、鼻をくっつけ合っていたその二人からは、とっても厳粛な雰囲気が伝わってきました。これは長老の持っている「ハ」を共有させていただく事、つまり一緒に、同時に、尊い息を吸う、息を吐く、そして、互いの持っている「ハ」つまり、命のエネルギー、マナ交換をしているのだそうです。挨拶とはいえ、真剣にやるわけですね。ハワイの「ハ」というのも、実は呼吸の事、つまり吐いたり吸ったりのあの「ハァ~」の事だったわけです。だから、ローカルの人が、ちゃんと発音するとハワイは「ハ~、ヴァイ」って聞こえます。
ハワイの人は、白人が米国本土や諸外国からやって来た時、「ハァ~」交換意識ゼロなのを見てショックを受けました。白人にしたら、そんな会ったばかりの南国の知らない人達と、「ノーズキス」なんてとんでもないと、普通に握手ですませたんでしょうか。しかし、ハワイの人達は呆れてしまいました。あいつらは「ハァ~」がない奴らじゃ、こっちが最大限尊敬を示しているのに。「ハァ~」なしなんて、生命の息ないのと同じじゃと。そして、彼らを「ハ・オレ」と呼ぶ事にしました。つまり「息なし・生命なし」っていう意味です。(そういえば、顔無しって妖怪もいたよなあ)
今では、一般的に白人を指すか、または、ハワイローカルのやり方を無視して、すぐ「カリフォルニアではねえ~」なんて言うメインランド人と、一線を置く時なんかに使っていますが。マハロっていうのも、アロハっていうのも、「ハ」が入ってますね。両方とも、「生命の「ハ」とともにあれ」って言う意味があったわけです。アロハの「ハ」、自然と生命の営みを大切にする太平洋の人々の知恵が、たった一つの大切な音に凝縮されている事がわかります。
このコラムでは、またまたアロハ~なつぶやきをお届けしていきますね。アロ~『ハァ~』
*ポリネシア文化センターでは、『HA』のショーが見られます。
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