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沖縄とハワイ


前回、次は沖縄について書くと宣言した。でも、これはハワイに関するコーナーだ。そこで、「沖縄+ハワイ」をキーワードとして検索してみた。格安チケットの情報ばかり出てくるのではないかと懸念されたが、案外そうでもなかった。例えば、ハワイ大学には沖縄研究センターがあることが分かった。これは、沖縄を研究する機関として日本国外で唯一のものだ。また、海外に移住した沖縄出身者の研究に力を入れている点でも比類ない。ハワイの沖縄人コミュニティーの存在感の大きさを物語っている。

 

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2016年の沖縄フェスティバルのポスター。たくさんの参加者、ビジターで賑わう。Image from: http://www.okinawanfestival.com/

 

沖縄の人々は、沖縄のことをウチナーと呼ぶらしい(少し違うが、関西人も自分の家や所属先について語るときに「うちなー」と言う)。そして、沖縄人はウチナーンチュと呼ばれ、本土の人間ヤマトンチュないしナイチャーと区別される。ウチナーンチュとナイチャーでは内と外の関係が逆転していて面白い。そんなことを調べるうちに、ウチナーグチ(沖縄語?沖縄方言?沖縄弁?琉球語?琉球方言?)とハワイ語は似ているのではないかという気がしてきた。どうやら、この思い付きは当たっていないようだ。けれども、沖縄とハワイの共通点なら数多く挙げられる。ここでは、そのうちのいくつかに触れたい。

 

まず、かりゆしウェアとアロハシャツが似ている。「かりゆし(嘉利吉)」とはめでたいことを意味する言葉で、「アロハ」は親愛の情を表す挨拶だ。アロハシャツは100年以上前、ハワイの日系人によって考案されたらしい。しかし、かりゆしウェアに倣ったわけではないようだ。かりゆしウェアは、沖縄をPRする目的で1970年に作られた沖縄シャツが原型だ。その際にアロハシャツのデザインが参考にされたので、両者が似ているのは当然らしい。こんな事実を指摘しても、沖縄の人にはちっとも面白くないだろうか。でも、今後、かりゆしウェアが独自の進化を遂げれば、アロハシャツがかりゆしウェアを模倣する時代が来るかもしれない。沖縄、頑張れ。

 

次に、沖縄にもハワイにも王朝が存在した。ハワイでは19世紀初頭、カメハメハ大王がハワイ諸島を統一した。ハメハメハ大王の歌のモチーフとなった人物だ。その後、カラカウア王が明治天皇を訪ねて日本の皇室との縁組を提案するなど、王室は王権の強化に努めたが、1893年、白人勢力によって王政は廃止された。一方、沖縄では、尚巴志が15世紀前半に琉球を統一し、首里城を居城にした。後に城内に建てられた守礼門は、2000年の沖縄サミットと同時に発行された二千円札の図柄となった。但し、元の守礼門は戦災で焼失し、現在あるのは戦後に再建されたものだ。尚巴志による統一の後、一度の政権交代を経て、明治初期の琉球処分まで王国は存続した。

 

太平洋戦争で戦禍を被ったという点でも似ている。ハワイでは、1941年12月、日本軍が真珠湾の米軍基地を攻撃した。沖縄では、1944年10月に米軍が大規模な空襲を行い、翌年3月から日本軍と米英軍との間で激しい地上戦が展開された。もっとも、被害の大きさは桁違いだ。真珠湾攻撃が軍事施設を目標としたのに対し、沖縄大空襲は初めから市街地を狙ったもので、この空襲だけでも真珠湾攻撃を何倍も上回る数の民間人犠牲者を出した。さらに、翌年の地上戦で膨大な数の人命が失われたことは言うまでもない。

 

ハワイがアメリカの50番目の州に昇格した1959年、沖縄がハワイに似た運命を辿る可能性がまだ残っていた。第二次大戦後の講和条約により日本が主権を回復した後も20年間以上、沖縄はアメリカの統治下に置かれ続けたからだ。沖縄の本土復帰は、沖縄と本土の双方にとっての悲願だった。その悲願が実現し、沖縄がアメリカの51番目の州になる可能性は消えた。だが、沖縄が本土復帰を願ったのは、基地のない平和な島になることを夢見たからだ。この夢はまだ実現していない。

 

現状に対する不満から独立を唱える人がいるというのも、沖縄とハワイの共通点の一つだ。先日、日本軍による攻撃から75年経った真珠湾を日米の首脳がそろって訪れた。真珠湾攻撃は、日米関係史における最も重要な事件の一つだ。だが、ハワイの歴史においてはどうだろうか。ハワイが独立を保っていれば、こんな事件は起こらなかった。そう思った人は多いにちがいない。沖縄も、米軍基地の存在を原因とする事件や事故を経験してきた。もう本土の犠牲になりたくないという思いは、痛いほど理解できる。

 

最後に、沖縄とハワイに関する文献として、鳥海ステファニー圭希『島人としての生き方inハワイ&沖縄』http://p.booklog.jp/book/87388/readを紹介したい。著者はハワイ生まれ・ハワイ育ちの日系人であるが、国際交流員として石垣島に派遣された。ハワイと沖縄に通底する島の心が描かれている。

 

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ペンネーム:漫駄倫

京都大学法学部卒業、同志社大学神学研究科博士前期課程修了。現在、イスラームと人権について博論執筆中。コスモポリタンを装うが、筋金入りの関西人。ニューイングランドで新英語を学んで帰る途中、飛行機から落ち、ハワイに流れ着いた。犬の世話が好きで、うんちをするのを見るとホッとする。でも、自宅ではペットを飼えないため、木を育てている。まだ一つしか花が咲いていない。次の春には満開にしたい。

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