Jun Funahashiさん

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今回インタビューさせていただいたジュンさんとは、カピオラニ・コミュニティーカレッジの所有するオルガニックガーデンで待ち合わせした。カジュアルなTシャツに、ジーンズ。長い髪にベースボールキャップをかぶって現れたジュンさん。

ガーデンの広い敷地内には、半分枯れかけの草木と、それとは反対に強い生命力で花や実を咲かせている植物が混じりあっている。「私は２週間前から、この敷地を任されることになったんです。以前は責任者が居なくて、誰も管理してなかった。だから、雑草は生え放題、半分枯れちゃってる状態の植物も沢山あって。」ジュンさんはホースで丁寧に、それらの草木に水をやりながら話してくれた。

それにしても、不思議。Jun Funahashi と言えば、メークアップ業界では名を知られた人なのだ。その経歴がすごい。日本では数々のヘアーメイクのプロジェクトやお仕事に携わり、紅白も担当していた。その後、ニューヨークに渡り、有名なメークアップアーティストに師事し、自身の能力を高め、また最大限に引き出すプロジェクトにたくさん関わってきた。ニューヨーク生活１３年の間、広告、雑誌、テレビの仕事、と第一線を走り続けた。ニューヨークに憧れて、渡米する日本人は沢山いるが、ジュンさんはまさにそんな人たちの大先輩であり憧れでもある『ニューヨークの成功者』の一人なのだ。そのジュンさんが、このハワイの、コミュニティーカレッジのガーデンで、ホースで丁寧に草木に水やりをしているのだ。一体、何が起こったのか、興味しんしん。

「ハワイに住む、と決めたのは８歳のとき。」家族で来たハワイに、一目惚れだったらしい。とにかく自然が美しくて、空を見上げて『ここだ！』と思い、山を見つめて、『呼ばれた』と感じた、と笑いながら話すジュンさん。たかだか８歳で、そんな美的感覚を持ってたなんて、何て感性の高い子どもだったんだろう。

そんなジュンさんですが、成長してメークアップアーティストになってからは、何度もハワイに飛んで、仕事をする機会があったとか。「（ハワイに来るのも）１０回目を超えると、飽きてきちゃって。それでも、仕事で何度も来続けてるうちに、ある時そのハワイに対する飽和状態から突然抜けたんです、スパーンって。」ハワイの自然と隣り合わせで生活したり、時がゆっくりと進む感覚やその穏やかな生活の良さを再確認。そして、ハワイに移住する計画を立てる決意をした。

そして、ここからがジュンさんの素晴らしいところ。きちんと自分が何をやりたくて、それをするためにはどれだけのお金が必要で、を考えて実行する移住計画を立てた。「ハワイに憧れて移住して、仕事がなくて、お金がなくなって、（アメリカ）本土や日本に戻らなくてはいけなかった、という状況になった人たちをたくさん見てきたんです。そして、みんなハワイを嫌いになる、笑。私は、絶対ハワイを嫌いになりたくなかった。８歳の時から、大好きな場所だったから。」そうして、クリアーな目的と移住のための資金準備を達成したジュンさんは２０１４年、ハワイに飛び立った。

自然が大好きな彼女は、自然環境を良くする活動に携わりたかった。それは、メークアップアーティストになる前から、ずっとやりたかったことだ。「最初の計画では、ハワイで土地を買って、畑を作りたいと思っていたんです。」しかし、色々調べていくうちに、小さな島な為、水を引く問題などが難しいことがわかった。まずは、きちんと自然環境と植物の勉強をしたい、と思い地元のカピオラニコミュニティーカレッジに入学した。何事もまっすぐで、一生懸命なジュンさんの姿勢が周りからも認められ、ボランティア活動やイベントの責任者に抜擢されたり、コミュニティーガーデンを任されたり、学業以外でも、とにかく忙しい。そうして、ハワイで生活を始めて２年が経とうとしている今日、彼女の目標はもっとはっきりとした形になった。「ジャーナリストになって、オルガニック栽培や自然保護の応援をしたい。自分が畑を耕すよりも、『書く』という活動によって、より多くの人たちに知ってもらえると思った。」今年の夏には、ハワイ大学にトランスファーして自然保護活動を続けながらジャーナリズムを学ぶ予定だ。

一度、すごいキャリアを築いてしまうと、そこからなかなか飛び出せない人たちが多い中、スッパリと次の目標を見つけ走り続けるジュンさん。いつも楽しそうに笑う彼女の生活の根本には２つの柱が立っている。『自然を大切に』と『毎日楽しく』だ。どちらも、子供の頃に学んだこと。シンプルで自然な彼女の生き方に感銘する。

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